ダブル・バインド

日本って面白い国だな〜と思います。

留学先には圧倒的なインド・中国人・タイ・韓国・南米・ヨーロッパのクラスメイトに比べ、
日本人は少なく、というか今年の修士には私だけで…
イノベーション事例をあげる授業では、破壊的イノベーションとイノベーションノイズ(イノベーションと呼べない新しいモノ)をあげるときに、日本のたまごっちやセルフィー棒がノイズとしてあげられ…
起業家精神の授業では、トップ20に日本は全く出てこず…
日本の満員電車の動画が、この国に生まれないで良かったと安堵の目で見られ…

割と居心地の悪い思いをすることがあります。

「日本=かつての経済大国、極東のどこかに浮かぶ島国」といった感覚を覚えることがあります。

一方で、授業内で、日本出身のデザイナー、アーティストが取り上げられることが多くあったり、
トヨタのKAIZEN、禅/Less is moreの考え方が取り上げられたりします。
また、デザイナーのポートフォリオ作成の授業では、
「自分のアイデンティティ、ストーリー、オリジナリティを明示しないとダメだ。
 君たちは、”日本人”という面白いアイデンティティを持っていないんだから。」と語られたりします。

そのたびに、私は、「日本人として誇らしくなる」思いと「日本人というアイデンティティに頼らない自分らしさを見つけたい」という思いにかられます。

ところで、この記事で言いたかったのは、日本って対外的にすごくダブル・バインドなメッセージを発しているんじゃないかな、ということです。

そう思ったのは、クラスメイトのコロンビア人とインド人と宗教観・自然観について話していたときに、日本は、神道、八百万の神という考え方があるという話に対して、インド人に「でも、ゴミめっちゃ出しているし、自然破壊しているよね、と言われたことです。

Less is more、自然や動物崇拝、諸行無常、静謐、KAMAKURAといったイメージとともに、
めっちゃ働く、モノがたくさんある、カオスといった相反する(考え方によっては相反しないのかもしれませんが)イメージも同時に発している気がします。

それがカオティックでわけわからなくて、日本面白いねっていうブランドにもなっているのかもしれませんね。

スウェーデンは少なくとも対日的なブランドイメージでは、自然が豊か、社会保障が充実、心・文化的に豊かな生活のイメージがありますよね。
実際、スウェーデンは戦略的に国のブランディングに努めていて、下記のようなブランドのガイドラインも制作しています。

http://sweden.identitytool.com/

…とまで思って、知り合いのスウェーデン人が、スウェーデン人は、仕事、私生活、あらゆる役割において完璧を求められて辛いと言っていたので、対外的なブランドイメージが一貫していても、内部の人がどう思うかは別の話しかもしれません。

ということで言うと、私自身がダブル・バインドで悩まないように生き方を選択すればいい話なのか…?

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